第10回原子力安全合同シンポジウム

2024年12月24日(火)東京大学山上会館

趣旨:
東日本大震災以降も、北海道胆振東部地震や台風、豪雪・集中豪雨に起因する変動制再エネの出力低下に伴う停電も発生し、電力安定供給の必要性が増しております。ロシアのウクライナ侵略等による世界的なエネルギー価格急騰と円安による化石燃料輸入コストの急上昇や原発の防護など、エネルギー安全保障が極めて重要となりました。特に、再エネ賦課金による再エネ普及政策の下で、シェアを拡大した再生可能エネルギーの曇天無風寒冷状態で発生した電力需給ひっ迫により首都大停電直前の状況も発生しました。背景には電力自由化政策に伴う老朽火力発電の閉鎖や原発再稼働の遅れがあり、電力料金の値上げが企業と家計を直撃しています。
岸田内閣も2030年度までにCO2の排出を46%削減するなどグリーン成長戦略と原子力の最大限の活用を掲げ、2023年の3月、4月上旬に衆参両院のGX関連法案を可決し、実行可能としました。
これらの状況を踏まえて、本年も原子力安全合同シンポジウムを開催致します。

日時: 2024年12月24日(火)9:30-16:30

多数の参加をいただきありがとうございました。

  • AIやDXを用いることによって、原子力発電所がより安全となる可能性を 再確認しました。
  • また、福島第一原子力発電所事故は、保安規定に一切違反していない 状況でも起きています。保安規定を守ることは当然ですが、 リスク情報を適切に考慮する事が必須であることを再確認しました。
    アメリカでは1990年代からリスク情報をメンテナンスルールに取り込み、 発電所の安全性を高めることに成功しています。 フィンランドなど欧州でもリスク情報が1990年代から積極的に 安全性向上に取り入れられています。
  • 一方で、日本では、形ばかりのリスク情報活用となっており、 未だに保安規定などの書類安全が中心です。 海外に30年以上遅れています。 これでは、原子力安全を全く高められません。
  • DXやAIを積極的に活用するとともに、 リスク情報を安全の指標として発電所の改善を進めることが 日本の原子力発電所の安全性を高めることに繋がります。

今後とも、コミュニケーションを活発化させるとともに、 安全な原子力システムに向けて、 活動を継続していきたいと考えております。

場所: 東京大学 本郷キャンパス  山上会館大会議室
対面で実施します。ハイブリッド(オンライン)は実施しません。
参加費:無料、定員:100名
資料ダウンロードパスワードについて、 登録いただいたメールアドレスに連絡しております
パスワードが届いていない方は、ご連絡をお願いします。

共催:
日本機械学会動力エネルギーシステム部門「より高い安全を目指した最適な原子力規制に関する研究会」
日本機械学会動力エネルギーシステム部門「震災・エネルギーインフラ臨時委員会」
日本保全学会「規制関連検討会」
協賛:
原子力学会シニアネットワーク、EEE会議、エネルギー問題に発言する会

プログラム(敬称略):
 
日本機械学会 震災・エネルギーインフラ臨時委員会   (司会 奈良林 直(東京科学大))
9:30-9:55 能登半島地震時の新規制基準に基づく事前安全対策工事の効果 奈良林 直(東京科学大学)
9:55-10:20 地震時の志賀原子力発電所の状況 増田 敦志(北陸電力)
10:20-10:45 地震における設備の健全性確認の復旧支援 今野 隆博 (日立GE)
10:45-11:10 女川原子力発電所2号機の再稼働状況 吉川 祐明(東北電力)
11:10-11:35 女川原子力発電所2号機の再稼働に向けた対策工事と物量 石橋 文彦(東芝ESS)
【昼食】
世界に学ぶ −原子力安全カタログ と AIー  (司会 岡本 孝司 (東大))
12:30-12:55 保守関連の規制と事業者の対応【第1章】* 岡本 孝司(東大)
12:55-13:20 保全への取組とリスク管理【第2章】* 渡邉 孟士(三菱重工業)
13:20-13:45 運転サイクル延長とプラント寿命延長【第2,3章】* 小川 雪郎(日立GE)
13:45-14:10 福島第一事故を受けての安全対策【第4章】* 奈良林 直(東京科学大学)
【休憩】
14:30-14:55 保全業務効率化のためのAI技術適用 西 優弥(東芝ESS)
14:55-15:20 保全におけるAI技術の応用と展望 出町 和之(東京大学)
15:20-16:15  総合討論 (司会 岡本、奈良林)
*午後の4講演は、下記「安全カタログ」の勉強会になっております。
 是非ご購入いただけますようお願いいたします。
 「海外原子力発電所安全カタログ −脱炭素のための原子力規制改革−」(ERC出版)
購入先(一例)

連絡先:
東京科学大学 奈良林直
東京大学工学系研究科 岡本孝司
symp@rop.tokyo

参加申込方法
googleフォームで登録ください。

合同シンポジウム実行委員会 E-mail:symp@rop.tokyo

過去の開催実績
第1回原子力安全合同シンポジウム(2016年1月28日開催)
第2回原子力安全合同シンポジウム(2017年3月3日開催)
第3回原子力安全合同シンポジウム(2017年12月22日開催)
第4回原子力安全合同シンポジウム(2018年12月21日開催)
第5回原子力安全合同シンポジウム(2019年12月24日開催)
第6回原子力安全合同シンポジウム(2020年12月25日開催)
第7回原子力安全合同シンポジウム(2021年12月23日開催)
第8回原子力安全合同シンポジウム(2022年12月22日開催)
第9回原子力安全合同シンポジウム(2023年12月25日開催)